時雨莊圖書室『文ヲノ棚』参段目

Shigure-sou2008-08-12

 ああ、ついでに氷も入れてくれ。
 というわけで、今日も猛暑日なのでしょうか。暑いです。
 蔵書晒し企画3回目、予定を変更し「神話」系でゆきます。

次田真幸『古事記

古事記 (上) 全訳注 (講談社学術文庫 207)

古事記 (上) 全訳注 (講談社学術文庫 207)

 次田真幸氏が編集した講談社学術文庫版。本文・現代語訳・注・解説が載っており、様々な要求に対応しています。
 もとの『古事記』同様に上中下巻3冊から成り、上巻から下巻が出るまでには7年もの歳月がかかっています。また、次田氏は下巻を著した直後に亡くなられています。そういったことを踏まえて読むと、また違った感動を得られます。
 色々な形で現代でも引用される古事記。読みやすく内容も面白いので、大変オススメです。

ヒュギーヌス『ギリシャ神話』

ギリシャ神話集 (講談社学術文庫)

ギリシャ神話集 (講談社学術文庫)

 ヒュギーヌスが書いたギリシャ神話。
 すっごく読み辛いです。

Aは何々をした。Bは何々をした。Cは何々をした。AとBは兄弟である。DはEと共にF国を滅ぼした。これによってG率いるH国も同様に衰退した。

 極端に言えばこういう文がずうっと続いている。眠いし全体像を捕らえにくいです。
 まあ、上で紹介した『古事記』も似たようなものなのですが、あちらは解説などが豊富なので問題ないのです。
 そこで、次の本が有効になります。

吉田敦彦『面白いほどよくわかるギリシャ神話』

 素晴らしき『面白いほど』本。人物関係が図になっていたり、絵なども載っているので分かりやすいです。文章もちょっとかみ砕いてあるので良い。
 これ片手に読むのが吉。

K・クロスリィ-ホランド北欧神話物語』

北欧神話物語

北欧神話物語

 FFやらバンプやらでもちょくちょく引用される北欧神話。家具や雑貨なんかも「北欧」という文字がつくと、なんだかオシャレに感じる不思議。「ほくおう」っていう響きが好きです。
 多分日本じゃ最も有名な北欧神話の本じゃないだろうか。訳も丁寧だし、装丁も素敵なのでそれも頷けます。
 傍らに置くべき本はあまり必要無いとは思いますが、一冊紹介しておきます。

造事務所/著 東ゆみこ/監修『「世界の神々」がよくわかる本』

「世界の神々」がよくわかる本 ゼウス・アポロンからシヴァ、ギルガメシュまで (PHP文庫)

「世界の神々」がよくわかる本 ゼウス・アポロンからシヴァ、ギルガメシュまで (PHP文庫)

 その名の通り世界の神々がよくわかります。
 イメージしにくい神々の姿が、絵と文章で紹介されています。
 ギリシャ、北欧、ケルト、インド、メソポタミア、エジプト、そしてクトゥルー神話までが収められています。これらの神話を読む際にさらっと視ておくと良いと思います。



 しかし暑い。体温より空気の方が熱いなんて。
(文ヲ)